番組紹介のお知らせ:テレビ東京『風景の足跡』
テレビ東京『風景の足跡』#210
放映日:2021年4月30日(金)夜22時54分〜
【解説】
〜神奈川県足柄下郡箱根町 箱根ドールハウス美術館 篇〜
今回の物語は神奈川県箱根町にある「箱根ドールハウス美術館」。昭和63年に箱根芦之湯フラワーセンターとして開館。しかし2015年に閉館しました。2017年、子どもから大人まで楽しむことができ、また植物園時代の建物をいかした光あふれる美術館に生まれ変わりました。その秘密とは…?
(ナレーター:上白石萌音)
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せっかくのなのでこの機会に、皆さんにより深くこの場所の歴史を知って頂くために、ザッと当館周辺の足跡を振り返ってみたいと思います!
鎌倉時代から湯治場として知られる芦之湯は、江戸時代には箱根七湯の一つとして栄えた温泉地であり、その賑わいの様子は歌川広重や鳥居清長の浮世絵にも描かれています。
自然に恵まれ、旧跡(熊野権現)、精進池、石仏・石塔群など、国の重要文化財に指定されている史跡が豊富な場所でもあります。
また芭蕉などの句碑が残されている東光庵は、かつて多くの文人墨客が集まる文化サロンとして知られていました。長い歴史を持つ老舗旅館〈松坂屋〉と〈きのくにや〉には、勝海舟、魯山人、志賀直哉、皇族など数々の著名人が宿泊し、常連客であった滝廉太郎の「箱根八里」はここで作曲され、明治時代には木戸孝允と西郷隆盛の密談にも使われたというエピソードも残っています。
駒ヶ岳の麓に開け、箱根旧街道(現国道1号)沿いに面している当館は、ちょうど箱根駅伝の通過地点としては最高地点となる標高850mの場所にあることから、冬は一番に雪が積もり、昔は当館の土地に天然の氷が張っていたといいます。
プライベートでよくこの地を訪れていた、昭和を代表する歌姫・美空ひばりは、ここをスケート場として使っていたそうです。
その後、熱帯果樹や熱帯観葉植物が楽しめる植物園(フラワーセンター)がオープンし、四半世紀に渡り営業を続けていました。そしてその温室の建物はそのままに内装をリニューアルさせて、2016年に箱根ドールハウス美術館が開館し、現在に至っています。
このような予備知識を知った上で観て頂くと、より壮大な歴史を感じてもらえるのではないかと思います。どうぞお楽しみに!