【館長による美術館への招待】vol.2

【館長による美術館への招待】vol.2

〜歴史に彩られるドールハウスと文学展への招待〜

GW真っ只中!今日も良いお天気で行楽日和ですね。

今日は前回に引き続き「イギリスの歴史とドールハウス」についてお話しします。

イギリスのヴィクトリア女王が統治していた1837年から1901年のヴィクトリア時代は、産業革命による経済発展が著しく、イギリス帝国の絶頂期であるといえます。

科学技術、工学、文化・美術、さまざまな分野で繁栄をしていきました。

文学においても、多くの文豪による名作が生まれましたが、今回はチャールズ・ジョン・ハファム・ディケンズ(Charles John Huffam Dickens)の関連ドールハウス作品をご紹介したいと思います。下層階級の人々の視点で社会を風刺した作品を多く発表したディケンズは、『クリスマス・キャロル』をはじめ、『二都物語』『オリバー・ツイスト』『デイヴィッド・コパフィールド』など現在でも支持され続けている作品を数多く残しました。

 

今回ご紹介するドールハウスは、スティーヴ・ヒルバート(Steve Hilbert)による、「ディケンズハウス」です。ディケンズの小説『大いなる遺産』(1860~61年)の一場面を、ドールハウスに仕立てた作品です。作中の脱獄囚マグウィッチが、潜伏先の墓場で眠りについている場面を再現していますが、背景に見える教会のステンドグラスは、そんな重苦しい空間にひとときの情緒を表現しています。よく見てみると…作品に文章が書かれています。

G・パルトロー、E・ホーク出演の現代版の映画を含め、7度映画化されたこのイギリスの普及の名作の奥深さをぜひ、文学、映像、ドールハウスと楽しんでみてください。

‘MAGWITCH’ GREAT EXPECTATIONS

Whilst hiding in the Church grounds, Magwitch sleeps after feeding from the food and Brandy Pip stole for him, having freed himself from the shackles with the file that Pip took from the workshop. “at such a time I found out for certain, that this bleak place overgrown with nettles was the churchyard” “A fearful man, all in coarse grey, with a great iron on his leg”